「ああ、ここで泳げたんや。
川がキレイになったらいいな。」

在日学生団体「留学同」で活動する一方、勉強も就活も環境系ひとすじで。
2013年8月17日

関西出身。男性。在日3世(父方から数えて3世、母方から数えると4世)。朝鮮籍。
中学校まで朝鮮学校に通い、日本の私立の進学校を経て有名国立大学に入学。環境系分野を専攻し、修士課程を修了。
2013年春から地元の市の環境系職種の公務員として勤務。

学部時代には、これまでにも在日ナビで紹介した数人のインタビューでも出てきたことがある在日学生団体「留学同」の活動に没頭。
大学院では環境工学を専攻し、ゴミのリサイクルなどに関する研究に従事。
環境に関わることで社会の役に立てる仕事がしたいと思い、ゴミ焼却炉のプラントメーカーなどを中心に20社ほどを受けたが内定は取れず、環境系でしかも地元で働ける魅力から公務員試験を受験して合格。

自己アピールとしては学部時代の留学同での活動の話をすることが多かった。話すにあたって、就活では企業ウケするように「サラッと行けばいい」と意識していたものの、自分の中で捨てきれないこだわりもあって「つい主張しちゃった(笑)」ことも。

【活動期間】2011年9月頃~2012年9月
【就職先】地元の市の環境系職種

就活のおおまかな流れ

環境系の仕事を

就活を考え始めたのは大学院の修士課程1年の9月。
当初から環境系に興味があった。
学内で行われる就活イベントに行き始め、色々見たがどれもあんまり興味が湧かなくて、しだいに「環境系以外は興味ないな」と明確になっていった。

公務員か、プラントメーカーか

大学院での研究に一番近いということもあって当初から、市役所いいな、というのが頭にあった。
けれど結果が決まるのが遅いとか、自分の国籍の関係で昇進は出来ないだろうとか、色々なマイナスを考えると民間のほうがいいかと思って、民間企業を狙って就職活動を進めた。
民間ではまず、市の仕事を請け負うコンサルティング会社みたいなのがある。でもコンサルは徹夜とかめっちゃ大変だったり、市役所のやつにうじうじ言われたりするっていうのを研究室の先輩の話から知って、無理やなと思った。
そのうちに、ゴミ焼却炉を設計するプラントメーカーに行き着いた。

プラントメーカーに絞ってエントリー

2012年2月ぐらいからはプラントメーカーに絞ってエントリーシートを出し始めた。
プラントメーカーを選んだのは専門的な興味ももちろんだが、もうひとつ理由があった。

大学で研究をするようになって初めて気づいたのだが、通っていた小学校の隣が実は日本有数のプラントメーカーだった。
4回生の頃、研究室で学会誌を読んでいて、自分ちの近所の住所なのを見つけて

あー、あの会社って、こんなことしてたんや

と、愛着が湧いた。
しかもそこなら研究室の教授のパイプもあって、先生も勧めてくれるし、ここでいっかな、と思い、その会社を第一志望に就活を進めた。

公務員採用試験へ

ところが2012年の6月ぐらいまでに残念ながらことごとく落ちてしまった。第一志望だったプラントメーカーも落ちた。
その後は学習塾や予備校などをいくつか受けたりしながら、7~9月に地元の市と県の公務員採用試験を受けた。
県は落ちたが市に内定をもらい、そこで就活を終了。

その他、細かい進め方など

具体的な準備としては、まずリクナビなどで説明会の情報を集めて、それぞれの会社の説明会で資料をもらい、エントリー方法の説明を受けた。
エントリーシートはネットよりも手書き郵送のことが多かった。
選考はどこもわりとシンプルなもので、筆記試験などでふるいにかけてから面接やグループディスカッションに進んでいくことが多かった。
筆記試験はあんまり勉強しなくてもいいような内容だったが、面接については自分がどういう人間でどういうことをしたいかという話をうまく出来るように、突き詰めて文章化してみたり、研究室の仲間と練習したりしていた。
情報収集は、専攻の事務室などにも案内が届くだろうが、リクナビなどの方が早い。
大学のキャリアセンターには、面白そうな資料ないかなってもらいに行った程度で、職員さんに相談したりはしなかった。

受けた会社は20社ぐらい。プラントメーカーということでまず10社ぐらいに絞られて、全滅したあとに色々受けたのを合わせて20程度。
そのうちエントリーシートで落ちたのが1社、あとは途中の面接で落とされ、最終面接まで行ったのは5社くらい。
第一志望の会社は学校推薦の枠がなく教授に個人的に推薦してもらう形だったため、学校推薦を使えなくなってしまったことも、思わぬ苦戦の一因になったかもしれない。

※理工系の大学院生の就活では、学校推薦を利用するか、自由応募で就活するかが、非常に重要な選択になります。推薦を利用すると内定をもらえる確率が高い反面、応募できる会社の種類が狭くなります。自由応募だと幅広い業種にたくさん挑戦できますが、推薦ほど有利に進めることはできません。
そして今回の回答者の学校の場合、この二つの選択肢のどちらか一方だけしか選べない約束になっています。回答者の本命の会社は学校推薦枠がなく、教授推薦とはいえ形式上自由応募での就活を選ぶことになったため、本命以外にも自由応募でしか就活ができなくなってしまったというわけです。
ちなみに昔は学校推薦といえば内定が確約されたようなものだったのですが、最近は推薦をもらっても面接で落とされてしまうことも少なくないようです。

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